借地に関する土地賃貸借契約書の見直しを!
当協会ホームページをご覧いただき有難うございます。
専務理事およびホームページ担当を務めております石井です。
当協会では、県内各地域において年間に4~5回の不動産無料相談会を実施しておりますが、そのなかでも相談が多いもののひとつに『借地』があります。
借地の問題は、法律では定められていないことも沢山あることから、解決に難儀することも多くあり、手間のかかるわりには儲からないことからも取り扱いに消極的な不動産業者も少なくないように感じます。そのため、ご相談いただくお客様からは「どこに相談してよいかわからなかった。」というお話をよく聞きます。
私は、鎌倉市内の某宗教法人が所有する底地(借地として貸している土地)約60件の管理をさせていただいているため、必然的に借地業務の取扱いが多くなります。
そこで、今回は借地(底地)に関する土地賃貸借契約書(以下、契約書)について説明させていただきたいと思います。
ご相談者から、相続した借地の契約書が無い(存在不明)というご相談を受けることがよくあります。契約書は、借地契約において不可欠なものではなく、契約書はなくても、その効力に変りはありません。ただし、一般定期借地契約は契約書が必要であり、事業用定期借地契約は公正証書による契約書が必要となります。
しかしながら、一般の借地契約においても、①将来のトラブル回避 ②契約内容の再確認 ③相続時の対策 ④将来の売却に備えるなどの理由から、やはり、契約書の取交しはしておかれることに越したことはありません。
土地賃貸借契約書の記載項目
契約書に記載する事項としては
①当事者
②対象不動産の表示
③目的
④契約期間
⑤賃料等
⑥無断譲渡・転貸・建物存改築の禁止
⑦解約条項
最低限ここまでの項目の記載が必要であり、状況に応じて
⑧敷金等
⑨連帯保証人
⑩合意管轄
などの記載もすることとなります。
これらは市販の契約書でも網羅されていて、利用されている方も多くおられますね。
さらに土地賃貸借契約書へ記載しておきたい項目
今回、お伝えしたいことは上記項目に加えて、私が作成補助をする契約書には、将来のトラブル回避のために次の項目も必ず記載しているということです。
●更新料の定め
●承諾料の定め
●相続発生時の報告義務
更新料については、過去に授受したことがある場合や、将来に授受することが約定されている場合に、その算定方法などを契約書に明記しておくことにより、更新料の額が高い(安い)などのトラブルを回避することができます。
承諾料については、賃借人が借地権を第三者へ売却することとなった場合の譲渡承諾料(名義変更料)や、借地上の建物を増改築する場合の建替承諾料などの算定方法を予め決めておき、契約書に明記しておくことにより、賃借人も計画が立て易くなり、その額が高い(安い)などのトラブルを回避することができます。
相続発生時の報告義務については、賃貸人も賃借人も、相続が発生した場合に相手方への報告義務は法律上ありませんが、とくに賃借人(借主)が亡くなられた場合には、借地上の建物は相続登記をするから誰が相続されたのか分かるものの、借地権は登記されていないことがほとんどのため誰が相続されたのか報告がなければ賃貸人(貸主)には分かりません。そのため、契約書に相続発生時の報告を義務とすることについて明記しておくのです。それにより、借地権に関する当事者が知らないうちに大勢になっていたなどということが起こり難くなります。
契約書は貸主・借主どちらにとっても有ったほうがよい
借地に関する土地賃貸借契約が無かった場合、借地の契約自体は有効ですが、契約書が無いことによって賃貸人(貸主)にも賃借人(借主)にもデメリットは多くあります。
そのため、契約書がない場合には、あらたに作成することをおすすめします。その際、せっかくのチャンスと捉えて、将来のトラブルを回避するための取決めもしっかりと双方で話し合い、決めたことは契約書に明記しておくようにしておきましょう。
借地条件や取決めがしっかり契約書に明記されていることにより、将来、相続があった場合にも、安心して次の代の方々も引継ぐことができるわけです。
当協会では、不動産に関する各種契約書の相談にも応じておりますので、お気軽にご相談ください。
= 番外(グルメ)編 =
不動産とは関係ありませんが、
当協会のグルメ担当として、私のお気に入りのお店を1軒ご紹介させていただきます。
鎌倉市役所へ調査に行くときの楽しみが
市役所から徒歩3分ほどの小道にありますラーメン店『静雨庵』さんです。
同店は昼のみの営業で麺が無くなり次第営業終了となります。
閉店後に、二代目店主が翌日分の麺をうつ自家製麺のラーメン店です。
私は、こちらのミソネギラーメン(写真)がとくに好きで、食いしん坊のためAセット(唐揚げ弁当)も必ず付けます。
麺は自家製のストレート麺でしこしこもっちり、スープは家系でも淡麗系でもなく優しくてどこか懐かしいお味。
これからさらに寒くなる時期、お近くへお出かけの際はぜひ召し上がってみてください!
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執筆者:石井 秀雄 |